CSRへの取り組み

守りのCSR活動 〜企業としての責任〜

環境保全への取り組み

当社グループは環境課題に対し、P19-22に記載の自社固有技術を用いた環境重視の商品創出(環境貢献)活動と、自社の企業活動がもたらす環境負荷の低減(環境保全)活動に分けて取り組んでいます。

“環境保全への取り組み”でめざすゴール

①2050年までにScope1とScope2の
カーボンニュートラルを実現する
②2030年までにゼロエミッションを達成する

*当社は、上記のゼロエミッションを廃棄物埋め立て量1%以下と定義しています。

環境保全に対する取り組み

ISO14001は各拠点で認証を取得していますので、拠点ごとに環境方針の表現が異なっています。
下記には一例として日本拠点の環境方針を記載しました。

環境方針(武蔵塗料:日本)

環境理念

我々は、武蔵塗料の事業活動が広く地球環境と密接に関わっていることを認識し、一人ひとりが自然を大切にする心を原点とし、 地域環境や地球環境にやさしい事業活動を継続し「積極的 、 に地球環境保護に取り組む企業」を目指します。

行動指針

1. 我々は、塗料の生産を通して社会を豊かにし、環境に配慮した製品を創り出します。
2. 我々は、環境方針を達成する為に環境目標を定め、計画的な活動と定期的な見直しにより、環境マネジメントシステムの継続的な改善および環境パフォーマンスの向上に努めます。
3. 我々は、生産活動を通して汚染の予防と環境マネジメントシステムの継続的改善を図り、環境パフォーマンスを高めるために、以下の事項に取組みます。
・省エネルギー : 日常の運用管理による電力の節減
・廃棄物の削減 : 廃塗料の削減〔不良在庫品(製品・半製品)、生産工程の見直し〕
・省資源(リサイクル含む): 廃棄物(廃溶剤)の再利用による資源の有効活用
・有害化学物質の削減・全廃 : 環境対応製品の開発、武蔵塗料グループグリーン調達基準に適合した 原材料の調達
4. 我々は、環境関連法令および当社が同意するその他の要求事項を順守し、利害関係者との信頼関係構築と発展に努めます。
5. 我々は、環境方針を文書化した情報として維持し、当社で働く又は当社のために働くすべての人に周知するとともに、利害関係者が入手できる環境を確保します。

当社グループのISO14001認証取得状況

認証取得済み
日本、韓国、中国(天津・蘇州・中山)、マレーシア、ベトナム(ホーチミン)、タイ、インドネシア、ハンガリー
認証取得計画中
中国(重慶)、ベトナム(ハノイ)
認証取得計画未定
インド

カーボンニュートラルに向けての取り組み

CO2排出量の実態把握

地球温暖化の要因とされるのが温室効果ガス(GHG)であり、その中でもCO2の排出量増加であるといわれています。当社グループも企業としての責任から、この課題に取り組んでいかなければなりません。

このため、まずは当社グループの企業活動によるCO2排出量の把握から取り組みを始めました。

CO2排出量を把握するには、一般的に次の図の考え方が用いられています。

当社グループは世界に多くの拠点を有していますが、これらの項目の算出根拠となるデータは世界で統一されていないため、まずは日本拠点の算出を以下の根拠から行いました。算出に関する考え方や排出係数は環境省やIDEAのDBを参考にしました。

先の表より、当社グループの日本拠点(営業拠点含む)における各Scope、CategoryごとのCO2排出量を求めると次のような結果となりました。

■日本拠点におけるScope、CategoryごとのCO2排出量

2022年は立体倉庫建設という大型設備投資案件があり、Scope3 Category2(資本財・設備投資)の数値が高くなりましたが、通年は2023年レベルが妥当と考えており、全体のCO2排出量も2022年と2023年の比較でその分減少しています。

当社グループのScope1~Scope3全体を見渡すとScope3Category1(原材料)の比率が著しく突出しています。

また自助努力で削減すべきScope1+Scope2では、Scope2すなわち当社グループでは電力由来のCO2排出量が大部分を占めています。

各生産拠点の電力使用量とCO2 排出量の実態把握(2022年)

*表中の海外のCO2排出係数は国ごとでの公表値を使用

この表には営業所などの数値は含まれていませんが、これらをあわせるとグループ全体で電力使用に起因するだけでも年間に約5,000tのCO2を排出しています。

CO2排出量削減の取り組み

原材料由来のCO2排出量の削減に向けては、塗料設計段階からより排出係数の小さな原材料への転換を環境重視の商品創出として進めていきます。

また、グループ全体の全従業員で取り組む項目として電力使用量の削減を図っていきます。これは電力使用が全従業員の日々の業務に関わっているためです。

なお、この電力使用量の削減の取り組みは2024年度の経営指標ともリンクして進めています。

次の対策で電力使用量の削減に努めていきます。

1
全従業員が電力使用の無駄をなくす
(適切なエアコン使用、こまめな消灯など)
2
設備や機器の新設や置き換え時には
より省エネのタイプを購入する
3
生産面での効率化を図る

これと並行して下記を行い、CO2 排出量の削減に努めていきます。

1
植林、植栽、整備による緑化運動の促進
2
電力を再生可能エネルギー由来に切り替え

CO2排出量削減に向けた具体的な活動事例

入間工場生産棟塗り替え時の断熱遮熱塗料の採用(日本)

断熱遮熱塗料を用いて、入間工場生産棟の塗り替えを行いました。

塗装施工前

塗装施工後

塗工は2023年12月に行ったため効果確認は2024年になりますが、塗工に先立ち2023年の夏にこの塗料を塗装していない/塗装したプレハブで比較試験を行い、その効果を確認しています。この時の結果が再現できれば、電力使用量の削減およびCO2排出量の削減が期待されています。

■ユニットハウスでの断熱塗料検証

外壁表面温度37.2°C

外壁表面温度60.7°C

入間工場にECOMO(節電ユニット)設備を導入(日本)

電力の送電を潤滑化しロスを最大限減らす目的で ECOMO の導入を行いました。

キュービクル設備

ECOMO設備(設置状況)

緑化運動の推進(タイ、ベトナム(ハノイ・ホーチミン)、インド)

CO2排出量をゼロにすることはできないため、カーボンニュートラルに向けてはCO2を何らかの方法で吸収する活動も必要となります。

この中で当社グループは植林や植栽、整備などの緑化運動を積極的に展開しています。

工業団地内の植樹活動に参加(タイ)

事業所の敷地内に植栽(ハノイ)

植樹イベントに参加(ホーチミン)

植栽の整備(インド)

廃棄物量削減に向けての取り組み

当社グループは2023年の経営指標として、2022年比で30%の廃棄物量削減を掲げて取り組んできました。これらの活動を通じ2023年は経営指標の廃棄物量の前年比30%削減を達成しました。

ここでは、日本拠点における活動事例について記載します。

廃塗料の排出削減

廃塗料を廃溶剤に混合して溶剤分を再生することでトータルの廃棄物量を削減しました。

以前の廃塗料廃棄状況

塗料と容器の仕分け作業

廃溶剤の排出削減

蒸留装置導入により使用済みの溶剤を再生し、廃溶剤量を削減しました。

溶剤蒸留装置

廃溶剤

蒸留後洗浄液

廃汚泥の排出削減

塗装ブース循環ろ過装置の採用により、ブース洗浄回数の削減および排出汚泥量を削減しました。

塗装の様子

塗装ブース

塗装ブース循環ろ過装置

廃プラスチックの排出削減

不要になった塗板を必要とする教育機関などに送付し、活用いただくことで廃プラスチック量を削減しました。

クリスマス製作

携帯電話

木のネームプレート

廃木パレット、廃ドラム缶の排出削減

損傷した木パレットを解体し、テーブルやベンチとして再生し、ネットで販売しています。また原材料が入っていた小型ドラム缶に木パレットを解体した木材を組みあわせ、スツールとして再生し、ネット販売することで、それぞれの廃棄量を削減しました。

■産業廃棄物のアップサイクル事例

廃棄物量削減の現状と課題

当社グループは、金属などの排出時に金銭が戻る、いわゆる有価物以外を廃棄物と定義しています。同じ廃棄物であっても分別を細分化することでリユース、リサイクルをすることができ、資源の節約につながります。入間工場では、廃棄物を17科目に分類してこの活動に取り組んでいます。しかしながら海外拠点では社内で細かく分類して排出しても、処分方法が整備されていないので一緒にされるケースがほとんどです。

廃棄物問題は環境問題の大きなテーマであり、いずれ海外拠点でも日本と同様の仕組みが確立されると考えています。各拠点で廃棄物処分の情勢変化をいち早く察知して、「ゴミではなく資源」となる廃棄物排出に努めていきます。

その他海外拠点の環境保全への取り組み事例

VOCsの処理設備導入(中国・蘇州)

蘇州拠点では約9,200,000元(日本円で約1.9億円)を投資し、VOCsの排出量を低減するため、処理施設を導入しました。

この活動で政府より要請を受け、関係者に対してプレゼンを行いました。

また地元TVから取材を受け、その様子はニュースになりました。

プレゼン風景

地元TVニュース(実際のTV画面より)

Page Top