武蔵塗料グループ(以下当社と略)は、1958年にラッカー塗料を製造・販売する武蔵塗料からスタートしました。その後、お客様をはじめステークホルダーの皆様からのご支援を賜り、現在はホールディングスカンパニーとして、世界9か国に製造拠点をもつグローバル企業に成長しました。
「武蔵塗料グループは、独自の発想により社会に貢献できる商品を開発・供給し、塗料納入先・原材料仕入先・株主・社員の利益を確保し、社員一人ひとりが精神的に物質的に豊かとなり誇りをもって働けるグループとする。」という経営理念の実現に向け、今後もステークホルダーの皆様と持続可能な社会の発展に向けて、ともに歩んでまいります。
当社は、社会からの要求に応え続けることで、ステークホルダーの皆様からの信頼を深め、当社の企業価値を高めるため、CSR活動に取り組んでいきます。
下図に示したように、当社グループのCSR活動は「社会にポジティブインパクトをもたらせる(攻めのCSR)活動」と「社会にネガティブインパクトを発生させない(守りのCSR)活動」の2つに大きく分けています。
社会にポジティブインパクトをもたらせる(攻めのCSR)活動は、社会課題解決の一助となることをめざし、社会との共通価値の創出を行うことで、社会から評価をいただき自社の企業価値向上につなげていくことを目的としています。この考え方のもとはハーバードビジネススクールのマイケル・ポーター教授が提唱されたCSV(Creating Shared Value)です。
企業に対する社会からの要求とは、企業の力(固有の技術、製品や企業活動)をもって社会課題を解決することです。この社会課題を具現化したものがSDGsと言われています。SDGsには17のゴールと169のターゲットがありますが、当社グループは自社の企業特性を鑑み、社会にポジティブインパクトをもたらせる(攻めのCSR)活動として3つの活動項目を掲げて取り組んでいきます。
社会にネガティブインパクトを発生させない(守りのCSR)活動とは、企業活動が社会や地球に迷惑をかけないために心がける行動と捉えています。いわば“企業のあるべき姿”でもあり、これに対しては公的機関やこれに準ずる機関から指針が出ています。また、ネガティブインパクトの発生は自社グループのみならず、サプライチェーン全体に影響を及ぼすことから、最近では調査票などにより取引先のCSR活動の取り組み状況を把握する動きがあります。よって、当社グループでは公的機関やこれに準ずる機関の指針とCSR調査票に記載された項目を吟味し、社会にネガティブインパクトを発生させない(守りのCSR)活動として7つの活動項目を選定し取り組んでいます。
上の表では、当社グループのCSR活動が影響を及ぼすステークホルダーとの関係を示しました。表のようにCSR活動は当社グループに関係するすべてのステークホルダーに向け、各組織がそれぞれの立場に応じて対応しています。
2023年6月末に当社グループはCSR活動の内容をまとめた「Musashi Sustainability Guide」を発行しました。
この冊子は大きく分けて①CSRの位置づけ、②社会にポジティブインパクトをもたらせる(攻めのCSR)活動、③社会にネガティブインパクトを発生させない(守りのCSR)活動の3部構成となっており、さらに②については3項目、③については7項目の具体的な内容を記載しています。
CSR推進室ではこれを契機に、Musashi Sustainability Guideを用いて当社グループのCSR啓発教育を始め、2023年は日本を含み5か国6製造拠点で実施しました。2024年の上期中にすべての製造拠点での第1回目の啓発教育を完了させる予定です。
以前は、「CSR活動=社会貢献活動」と捉える従業員が多かったように思います。しかし、2023年1月にCSR推進室が発足し、CSR活動への取り組みに関して文書体系の構築などが図られ、従業員向け説明会をしていくうちに、少しずつ「社会にネガティブインパクトを発生させない(守りのCSR)活動」にも意識が向けられるようになってきたと感じます。当社では、CSR活動の2つの側面を車の両輪であると捉え、今後も活動を推進してまいります。